軍手

私のケツポケットから落ちた軍手を憧れの先輩が拾ってくれました。ヘルメットが臭わないか鼻を近づけて嗅いでいたら、振り返ると先輩が立っていて落ちた軍手の片方を差し出してくれたのです。

自分の汗の匂いを確認するためにヘルメットに顔をうずめているところを見られて少し恥ずかしかったです。

ニッコリ微笑み、汗で湿っているはずの薄汚れた軍手を手渡してくれたのです。

とろけそうになりました。

あ、ありがとうございます、
どもりながら、お礼を言いました。
微笑んだまま先輩は立ち去り、自分の仕事に戻りました。

まるで天使のような方です。

その後ろ姿に抱きつきたくなりました。
しませんでしたが。
出来ませんでしたが。

その後、仕事が終わり帰宅すると家の前に工事車両のレッカー車が二台とめてありました。お向かいさんの自宅の工事のためです。

自宅の駐車場にクルマを入れることが出来ず、近くの公民館の駐車場に車を置き、家に入りました。

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